CCRE MUSIC

最新情報

--楽曲解説--
チョコレート粉砕器NO.9  Produced by cro-magnon
まずタイトルだが、これは現代アートの生みの親=マルセル・デュシャンの絵画からヒントを得ているという。BOOらしいカルチャルな捻りは、その詩の世界観にも反映されている。学芸大のスタジオで一発録りで挑んだ熱いライヴ・サウンドが特徴的だが、脇を固めるクロマニヨンとは、ループジャンクション時代からの付き合いだという。現行のエレクトロ・サウンドを出したいというBOOの意識がよく反映された内容だ。今時のクラブ・シーンで活躍するバンドからの影響や、90年代頭のデトロイト方面を彷彿とさせるチープなシンセが特徴的。スネアはオジー・オズボーンを経由のハードロック・テイスト。対してベースの方はニュー・ウェイヴ系という、スキゾ的な凝り方が面白い。

恋は流星 Produced by S.A.(STUDIO APARTMENT)
日本の中古7インチレコード市場では抜きん出て値段も高い、シティー・ポップの名曲中の名曲『恋は流星』をカヴァー。スタジオ・アパートメントの森田のリクエストをうけ、BOOが決死(?)の挑戦。出来映えはといえば、「切なく胸をえぐる絶品のカヴァー」という周囲の評判も高く、BOO自身も大満足だそうだ。スタジオ・アパートメントらしい、スムーズ&美麗な王道ハウス路線が美しくも、潔い逸品に仕上がっている。

スニーカーJUMP MUSIC feat. DABO Produced by THE LOWBROWS
ザ・ロウブロウズのチャキとは7、8年来のつき合あい。最近はエレクトロ路線をきわめていることで、BOOの志向と合致。 そこに天才ラッパーDABOが絡むというフレッシュな一発となった。BOO曰く「日本のJAY-Z」的なラップマナー、ウィット感も絶妙。ゴージャスにも32小節分のマイク蒔きを披露。BOOにとってもヒーローであるDABOとのまたとない共演となった。ワープやプラグ・リサーチ系の新しいヒップホップ・サウンドと呼応する渋さが鋭い。タイトルは、まさに「かっこよければなんでもよし!」というニュアンスがこめられている。

FRENCH GIRL!!!!!  Produced by☆Taku Takahashi(m-flo)
エレクトロクラッシュ~フレンチ・エレクトロへのオマージュが込められた曲。☆タク・タカハシらしい、ビートの高揚感と最新のサウンド性がつまっている。タクはこの曲のために、4つのトラックを用意していたそうだ(豪華!)。「フランス好き」を自認するBOO。曲のテーマ的には、片言の日本語英語しか話せない男の子がフランス人の女の子に恋をするという内容。ヴィデオ・アーティストのユキコが手がける、レトロかつ新しいテイストのクリップも傑作だ。

YELLOW Produced by Jazztronik
野崎良太(ジャズトロニック)&コールドプレイという「王子様系」二組がかさなり合った曲。コールドプレイの名曲のカヴァーだが、品格あるジャズトロ・サウンドが展開される。海辺というよりも、幻想的な海のなかの世界を演出している。野崎が近頃深めている、ビーチサウンド(?)にも注目だ。

DREAM#3 Produced by TERU(KARASS CASTLE)
ベスタックスのコンテストで1位にもなった岡山在住の才人トラック・メイカー、テルの手になるトラックは、ジャストブレイズ?はたまたカニエか?といういぶし銀的にソウルフルな、唄に溢れるトラック。 BOOがハイティーンのころに夢見た「歌で世界を変える」という、ホロ苦き理想へのオマージュが捧げられている。タイトルは、ジョン・レノンの「#9ドリーム」に因んでいる。

インスタントラヴ Produced by DJ HASEBE
ハウスのテンポにアーリー90sなR&Bテイストが合体、切なく胸をつく。この意図的な甘酸っぱさは、BOOいわく、現代解釈でのモータウン的ソウルだとか。キャッチーなサビが、とにかくきまっていて、BOOは「109界隈でのブレイク」(笑)を期待しているらしい。たとえばサム・クックを敬愛するBOOがここで歌う「かわいらしさ」は、非常に大人である。ありそうでいてなかった、ど真中なBOOソウルが炸裂。さすがDJハセベ、見事な仕事である。

ザ・ユニバース Produced by Ryoki Mastumoto
才人たちがひしめく本作のなかでも、出色の名曲。ビートルズかバッドフィンガーか、というエヴァーグリーンなアップルサウンドと、BOOとのマッチングは格別だ。プロダクションは『SMILE IN YOUR FACE』からコラボを続ける松本良喜。ポップ・ソングが持つ、きれいごとの底力をまざまざと示した確信作。驚く程直球を投げるBOOの歌詞も凄い。音楽の神様が微笑んだ、きらめきに充ちた作品。泣いて下さい。

落穂 Produced by Masaki Mori(EGO-WRAPPIN’)
イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズの「SEX&DRAG&ROCKN'ROLL」を思わせるイントロにはじまり、スタイル・カウンシル、クラウト・ロックにポスト・ロック、そしてU2までと、何故これらの影響を結びつけなくてはならないかは、まさにBOOならではの、分かりにくさ(笑)である。BOOが抱く、ゲーリー・ムーアとマディー・ウォーターズ、またはモグワイへの偏愛が、森雅樹が弾く轟音ギターの向こうに見え隠れする。歌以外は「インスタント・カーマ方式」による一発録りだという。これがたった3人で作りあげた音響だとは!BOOのディープな大阪コネクションが産み落とした問題作!

愛しのアンドロメダ Produced by Subaga t experience
ボブ・ドロウをイメージした、お洒落な遊びごころを意図したBOOに対し、須永辰緒が提示したのが「フリッパーズ・ギター」的ネオアコ感。バンド、コーラス、13人編成のバックを受け、ゴージャズでいて風通しのいい、ネオ渋谷系(?)の極上感を達成している。パンキッシュであり、大人のジャズ・ポップスである。

TEXT:池谷修一